アウトリーチを通して

 不登校の子が人目を気にして家以外で過ごすこと出来ないのは、本当に周囲の保護者にとっても辛い状況です。辛い出来事などの心の整理や精神的・肉体的なお休みの時間はある程度必要だと思いますが、それから先が子どもだけではなかなか見いだせないものだと感じています。また、多くの保護者がこのままひきこもりに移行してしまうのではという不安を感じ、本来の親子関係も微妙になってしまうことも多いようです。

 

 アウトリーチは、自宅から出れない場合に相談機関や支援機関につながることができないという課題から生まれたもので、相談員や支援者が自宅などに出向くというものです。自分は、2003年より訪問活動をはじめました。

 

 そもそも人に会うことに不安を感じている子どもに、先生やカウンセラーなどが自宅に来るという不安より、気軽に遊びに来たよという姿勢で訪問するのが基本的な訪問のスタイルで、あくまで子どもの立場で応援できる他者になることを目的にして活動をはじめました。

 

 大体の場合、子どもは、学校に連れ戻されるのではないかと警戒していることが多いですが、何回かの訪問で心を開いてくれ、いろいろな話をしてくれるようになります。そのいろんな話の中に相談事や悩み事はほとんどなく、自分が好きなことや楽しいと感じること、いわゆる子ども自身の話がメインになります。次第に自分は、子どもは自身の抱える問題や課題を解決してほしいのではなく、自分自身で解決していたのだと今では感じるようになりました。

 

 アウトリーチを通して、様々なことに傷つき、疲弊し、人目や社会から一時的に離れていた子どもや若者は、家から出ること、学校に戻ること、進学することを子どもや若者自信が決め、行動に移すものなんだと心の底から感じるようになりました。自分はアウトリーチを通してそのきっかけや機会を作ってあげることが第一の役目なのではないでしょか。また、子どもが不登校やひきこもり気味になることで、一時的に子どもに自信を失っている保護者に子どもの素晴らしさや可能性を伝えることも大切な役目だと思っています。自分自身、アウトリーチを通して子どもや保護者が元気になることで、この上ない喜びやパワーをもらいながらこれまで活動し続けられたのだと思っています。